素材の種類

カッティング・シート = マーキングフィルム?

 皆さんが、よく「カッティングシート」と呼ばれるものですが、この元々の名前は(株)中川ケミカル社製の
商品名で、展示会や工作等、屋内で使用される事をメインに生産されている素材です。
画材店やホームセンターで一般の方でも簡単に購入出来ることからカッティングシートの名前で広く知られる
事になった様です。

 基本的に屋外使用目的ではありませんから、特に赤や黄色等の淡い色が短期間で退色してしまい、
全部を含めて「カッティングシートは使えない」と誤解されている方もいます。

正確には、大きく分けて屋内用・屋外用を総称して「マーキング・フィルム」と云います。

 自動車のボディ、ガラス面や看板に使われる事を前提とした場合には、屋外用のマーキングフィルムを
使うことが一般的です。

* 誤解のない様に … (株)中川ケミカルでは、「タフカル」「NOCS」等の屋外耐候マーキングフィルムも
生産しています。

 

ご参考までに。
当HPも含めて、カッティングステッカー製作のホームページには耐候性の表示年数が表示されてることが
あります。
この表示は、各メーカーの公称値で、保証年数ではありません。然しながら屋外長期耐候素材(5~7年)を
使用した場合、故意に剥がす・常時高温に晒す・薬品を掛ける、などの事がない限り、2~3年程度で元の色が
判らない程の著しい退色や劣化は通常、ありません。

 

素材 

それでは、素材を紹介します。
但し、世界中の商品となると膨大な量に及んでしまいますから、ここでは目的別に一部の商品を選んで
説明したいと思います。

 

屋外用マーキングフィルム(一般色)
前述の自動車のボディやガラス・船舶・外看板等に幅広く使わ
れている素材です。
昔は職人さんの手でペンキで描かれていましたが、今はこの素材や溶剤を使った
インクジェットでの製作が主流になっています。
耐候性は主に中期(3~5年)・長期(5~7年)が多いようです。

 

 

屋外用マーキングフィルム(電飾)
一般色・不透過色との違いは、光を通し易いため、蛍光灯が入っている看板や、
ショーウィンドウの内側の明かりを「色が付いた状態で外側に漏らしたい」時などに
使います。
看板の場合も、乳半(にゅうはん)と呼ばれる透過性のアクリル板に貼るため、
暗い所でも蛍光灯の光を通して文字やイラストが明るく見える訳です。

 

 

 

屋外用マーキングフィルム(反射)
太陽光やヘッドライトに反射して光る素材です。特に夜間の注目度は高く、照射光に
対して垂直に近く
貼る程、明るく輝きます。

 

 

 

屋外用マーキングフィルム(ミラー)
鏡面タイプとも云います。名前の通り、鏡やバフで磨いた金属の表面のような素材です。
とても綺麗ですが、貼った後で表面を拭いたり磨いたり し続けるとキズになり易いのが
難点です。

 

 

 

 

屋外用マーキングフィルム(蛍光色)
派手な発色で人目を引き付けます。素材
メーカーは屋外用としても生産していますが、
他の屋外用素材と比較した場合、退色は早い傾向にあります。

 

 

 

 

 

屋外用マーキングフィルム(テント用)
一般色は金属やガラス等に貼る事が主流ですが、このテント生地用の素材は店舗の
軒先で良く見掛ける布生地やビニールテントに貼る事を目的に作られた商品です。
但し、よく折り畳むことを想定した対象物の場合、素材本体の剥離や亀裂が生じます
ので、「オモテに放ったらかし」の方が、長持ちします。

 

 

 

 

屋内用マーキングフィルム(ガラス用)
表からの「目隠し」や紫外線防止に使われ、ガラスの内側から貼る素材です。
すりガラス調やスモーク等もあり、対象が透明ガラスの場合、素材をデザインカットして
サンドブラストを掛けたガラスエッチングの様な仕上げにする事も可能です。
但し、細か過ぎる線は拭き掃除の時に剥がれ易いデメリットもあります。
表側から貼るタイプもありますが、屋内用に比べて高価です。

 

 

 

 

屋内用マーキングフィルム(展示会等)
前述の「カッティングシート」が、これに当たります。
他にもセキスイ化学工業(株)の「ハルカラー」等もあります。
何れも比較的に入手し易く、安価で色数も多いので、DIY好きの人には「たまらん」
面白さが、あります。

 

 

 

 

番外編
「壁装材(へきそうざい)」と云う素材があります。木目・石・金属等を模した素材もあり、
店舗のサッシや内部の什器・カウンターに貼ることもあります。
内装屋さんも時々使いますが、一般のクロスに比べると、高価な商品です。
いろいろなメーカーから出されていますが、カッティングシートと同様に商品名で
「ダイノックシート」と呼ばれることが多いようです。

 

 

他にもいろいろと
再剥離フィルムや防犯用等々、説明し切れないものもたくさんあります。
面白そうな素材を見つけたら、是非商品に生かして行きたいと思いますので、お楽しみに。